空襲の思い出(姉の体験)

 先日姉が(八十三歳)とても辛い事思い出してと電話して来た。姉は太平洋戦争末期軍需工場(名古屋市)へ行っていた。姉が行っていた工場が爆撃に有った日、たまたま姉は家に用事があって工場を休んでいて直接爆撃には遭っていなかったそうですが翌日その工場に出勤してみるとそれは悲惨な光景だったそうです。(とてもここには書けない状態)仲の良かった友達は爆撃の当日の光景を説明してくれたそうですが、姉が実際に見た光景も友達の話を聞いただけでも想像出来ると言っていました。今までその時から六十年以上経っていても思い出したく無いと心の奥にしまい込んでいた光景がふっと蘇りとても辛く悲しいと私に話してくれました。その時姉は多くの同級生や同僚を失っているのです。
 私も空襲の体験(我が家は焼夷弾の直撃で消失)は有りますが幸いまだ幼くて悲惨な光景は見てい無いので姉の思いは本当の所は良く分かってあげられなくて聞く事だけしか出来なかった。
 色々な意味で戦争はイヤです。失う物ばかりで何も残らない、心まで失ってしまうから。